【ひとまず安全でした】糊料(プルラン)ってなに?

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サプリメントによく含まれているプルランという成分。危険だと言われたり、そんなに心配ない物質だと言われたりしていますが、化学的に見ると実際の所どうなのでしょうか。科学論文も合わせて紹介していますので、どうぞご覧ください。

サプリメントの添加物に多いプルラン

プルランはタブレットタイプのサプリメントによく含まれています。糊(のり)として使われているから糊料といわれると単純に考えてしまって問題ありません。例えば片栗粉や卵も加熱すると固まるので、その性質だけは似ていますね。全く別のものですが。

ソースやドレッシング、グミやブレスケアなどにも使われていて、原材料名を見れば結構一般的に見つけられる成分でしょう。水溶性多糖類なため、水にはよく溶けて、アルコールには溶けにくいです。つまり、サプリメントをお酒で飲むと、水で飲むときよりもプルランが溶け出しにくいので含まれている成分も吸収しにくくなってしまうということです。

プルランの特徴と性質

プルランには、急性・慢性毒性はともに低いですが、大量に摂取してしまうとよくないのは当たり前です。毒性などは認められていないので、そこまでシビアに考えなくても問題ありません。

医薬品としては 医薬品添加物規格1993、第15改正日本薬局方(JP15)に収められており、アメリカのGRAS(NO.GRN000099)にも登録されています。

プルランは何からできてるの?

プルランは[(C6H10O5)n]m(CAS登録番号[9057-02-7])で、グルコース3分子が1セットになった分子です。この成分は一般的にはAureobasidium pullulansという黒酵母によって生産されたものが一般的です。その時に培養液に使われるデンプンが、遺伝子組み換えか、農薬はどの程度使われているかが、成分の品質に影響する場合もあります。

プルランの構造は、α1-4結合したマルトトリオースがα1-6結合で結合した化学構造をしています。グルコースに関する知識がある方ならばこれだけでもイメージできると思いますが、それほど難しい構造はしておらず、グルコースのOH基の影響で水に溶けやすいということもわかりますね。

 

Genome sequencing of four Aureobasidium pullulans varieties: biotechnological potential, stress tolerance, and description of new species.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24984952

 

A new variety of Aureobasidium pullulans characterized by exopolysaccharide structure, nutritional physiology and molecular features.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/9298193

 

重要な発がん性について

こちらのテーマはかなりシビアですが、こちらで紹介している論文においては発がん性、突然変異誘発性は認められないと記載されていました。詳細ご覧ください。

英語全文:This study was designed to assess the potential toxicity of pullulan, a starch-like substance produced by Aureobasidium pullulans that is proposed for use as a texturizer for meat and meat substitutes and as a flavour substrate. Sprague-Dawley rats (15/sex/group) were administered pullulan as a dietary admixture at levels of 1, 5 and 10% for a period of 62 wk. Control animals (15/sex) received untreated standard laboratory diet. The feeding study, originally intended to continue for 24 months, was terminated at 62 wk due to poor survival resulting from intercurrent pneumonia which was confirmed by histological findings. At 62 wk of treatment, all survivors were killed, complete gross post-mortem examinations were conducted on all animals, selected organs were weighed and organ/body weight and organ/brain weight ratios calculated. Mean body weights of all treated groups were comparable to controls. There were no indications of an adverse effect of pullulan on food consumption or food efficiency. At termination of the study, haematology and clinical chemistry values of treated animals were comparable to control values. There was no indication of pullulan-related toxicity in terminal organ and body weights. Macroscopic and microscopic examinations revealed no toxic lesions due to treatment. The mutagenicity of pullulan was assessed with and without metabolic activation in Salmonella typhimurium (TA100, TA1535, TA98 and TA1537). Pullulan did not increase the number of revertants per plate in any strain at any dose, including 10,000 micrograms/plate with or without metabolic activation, suggesting that it lacks mutagenic/carcinogenic potential on the basis of these results, it is concluded that pullulan lacks significant toxicological activity. The no-observed-adverse-effect level was 10% (equal to or greater than 4450 mg/kg body weight/day in males and 5080 mg/kg body weight/day in females) which would support use in various foods as a substrate for flavours.

Google翻訳全文:この研究は、Aureobasidium pullulansによって生産されたデンプン様物質であるプルランの潜在的な毒性を評価するために考案されたもので、肉および肉代用品のテクスチャライザーとして、またフレーバー基質として使用することが提案されています。 Sprague-Dawleyラット(15匹/群/群)に、プルランを1,5および10%のレベルの食物混和剤として62週間投与した。対照動物(15 /性別)は、未処理の標準的な実験室食を受けた。もともと24ヶ月間継続することを目的とした摂食試験は、組織学的所見で確認された流行性肺炎に起因する生存不良のために62週間で終了した。処置の62週間後に、全ての生存者が死亡し、すべての動物について肉眼的検査が完全に行われ、選択された器官が計量され、器官/体重および器官/脳重量比が計算された。全ての処置群の平均体重は対照群に匹敵した。プルランが食物消費または食物効率に​​悪影響を及ぼすという兆候はなかった。試験終了時に、処置動物の血液学および臨床化学値は対照値に匹敵した。末梢器官および体重にプルランに関連する毒性の兆候はなかった。巨視的および顕微鏡検査では、治療による毒性病変は認められなかった。プルランの変異原性は、Salmonella typhimurium(TA100、TA1535、TA98およびTA1537)における代謝活性化の有無にかかわらず評価した。 Pullulanは、代謝活性化の有無にかかわらず、10,000μg/プレートを含む、任意の用量のいずれの株においてもプレート当たりの復帰変異体の数を増加させず、これらの結果に基づいて突然変異誘発性/発癌性がないことを示唆しており、毒物学的活性。観察されなかった副作用レベルは、種々の食品における基質としての使用を支持する10%(雄で4450mg / kg体重/日以上、雌で5080mg / kg体重/日以上)であった風味のために。

参照:Safety studies of a novel starch, pullulan: chronic toxicity in rats and bacterial mutagenicity.

 

まとめ

以上の科学論文、研究成果などから、プルランはおびえるほど危険な物質ではないことがわかりました。ただし、プルランのみを体重50kgの人間が1日に1kgも摂取したら毒性が出る可能性があるため、こちらは少量摂取に限り、毒性はないと考えられます。グルコースの結合様式から、体内で簡単に代謝されてグルコースの形になると考えられますので、肝臓や腎臓にまで負担を強いるとは考えにくいです。

 

※リサーチした研究論文は世界中に数万件とある研究のごく一部です。科学的に危険がないとは言い切れませんが、100%安全とも言い切れません。現状、プルランという化学物質が原因で引き起こされている疾病が確認されていないため、安全性に対する認識に大きな誤りはないと考えられます。反論がある場合は、科学論文レベルの研究成果を持ってして、正式に学会で反論してください。

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