セラックってなに?

Share

今回は私が薬局でビタミンBのサプリメントを買ったときに原材料名に入っていたセラックという成分についての情報です。前回同様、学術論文も交えて中立の立場で構造式、性質、安全性、危険性などまとめていきます。

 




 

サプリメントに入ってるセラックとは?

セラックとは、簡単に言えば着色料・色素です。樹脂成分としても利用できるみたいですが、食品に使う場合には色素成分だけが使われます。このセラックは、ラックカイガラムシが木の樹脂から生み出した物質で、カイガラムシのメスが自分のお家を作るために使われる成分です。

カイガラムシの見た目で損している気がしますが、ミツバチやスズメバチも彼らが土と唾液を混ぜた巣を作って、そこで花から集めた花粉よりはちみつを生み出すのと同じように、ラックカイガラムシも同じように自分の巣を作っているわけです。このラック樹脂は天然では茶色ですが、処理する過程で水に溶け出して赤やオレンジになります。茶色に見えるのは不純物が含まれているからです。

 

参考:http://www.gifushellac.co.jp/?cat=4&p=39

参考:http://kosoken.blogspot.jp/2013/04/blog-post_20.html

 

 

 

セラックの特徴と性質

このセラックの原料は主にタイなど東南アジアで、意外と日本の近くで入手されていた色素です。似たものとしてコチニール色素と言うものがありますね。コチニール色素はコチニールカイガラムシの分泌する樹脂から作られるもの、その色素成分を化学的に真似して合成したものになります。

 

参考:http://www.ous.ac.jp/kikaku50/jei/bookmark/bm039e.html

 

 

 

セラックの作り方・精製法

セラックはスチックラック(ラック貝殻虫)のメスが分泌する殻のような物質から抽出精製されます。赤色のカイガラムシから得られる成分で、色素成分はアントラキノン系(C14H8O2:モル質量208.22 g/mol:密度1.31 g/cm³)の成分、ラッカイン酸などを含んでいるとのことです。セラックが単純に色素だけの場合といろいろ混ざっているものがあるみたいですが、食品添加物としてはその色素成分のみが使われていると考えて良いです。

アントラキノン系というのは、こういう構造をしている化学物質群のことをいいます。種類を上げだしたらキリがないですが、ただのアントラキノンは以下の参考の通り、可燃性で消火剤などに使われます。この状態のものは食品に含まれていないので、気にする必要ありません。

参考:http://www.nihs.go.jp/ICSC/icssj-c/icss1605c.html

 

 

 

おそらくセラックの正体「ラッカイン酸(Laccaic acid D)」とは

ラッカイン酸は、橙赤色、水溶性、アルコール溶性、光にも熱にも安定な物質。

C16H10O7(9,10-Dihydro-3,6,8-trihydroxy-1-methyl-9,10-dioxo-2-anthracenecarboxylic acid)。

★主にセラックの色素の正体はこの化学物質と考えて良さそうです。この物質、水にもアルコールにも溶けるという性質があり、私がパッと見た感じ、いろんな物質と結びつくだろうなと思います。そして、サプリメントに含まれている時点で既にいろんなものがOH基と置き換わっていると思いますので、何と組み合わせると危険なのか十分リサーチしたほうが良い気がします。

 

参考:http://www.chemspider.com/Chemical-Structure.8058979.html

参考:http://www.weblio.jp/content/%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AB%E3%82%A4%E3%83%B3%E9%85%B8%EF%BC%A4

参考:http://www.tcichemicals.com/eshop/ja/jp/commodity/L0095/

 

 

 

セラックの人体への影響

ラック色素は「昆布類、食肉、鮮魚介類(鯨肉含む)、茶、海苔、豆類、野菜、わかめ」には使用できないとされています。その代わり、トマト製品(トマトジュース類)、清涼飲料水、化粧品、ジュース、シロップには使用されています。

人体においてどの程度安全で、どの程度危険なのかは明確なリサーチ結果は見つかりませんでした。まだこのラッカイン酸(Laccaic acid D)についてはどれくらい摂取したら致死量に達するのかというリサーチや、発がん性があるのかどうか十分な研究がなされていない、もしくは、研究結果が公にされていないと考えられます。

ぶっちゃけ、カイガラムシのメスが分泌したものという時点で、私個人的には蜂の巣とか、スバメの巣とかと同じようなものとして口にしていても特段問題ないのではないかと思います。問題は、このラッカイン酸(Laccaic acid D)という状態の化学物質が天然から得たものではなく、工業的に生産されていた場合、そこに不純物や異性体などの問題がないかというあたりだと思います。

おそらくセラックの正体ラッカイン酸(Laccaic acid D)は純粋なものほど真っ赤な色をしているようです。そのため、サプリメントなどに含まれている時に、その色がオレンジ色であれば少量しか含まれていないと考えられます。かなり濃い赤色の場合は、その食品の色にもよりますが、ちょっと何mg含まれているか確かめておきたいところですね。

 

FOODDB:http://foodb.ca/compounds/FDB000643

HMBD:http://www.hmdb.ca/metabolites/HMDB29508

逆相TLC/スキャニングデンシトメトリーによる食品中のラック色素及びコチニール色素の分析:https://www.jstage.jst.go.jp/article/shokueishi1960/40/3/40_3_183/_pdf

 

 

 

結論

セラックはそこまで気にする必要はありません。命にかかわるほどの量も入ってないし、そこまでの力はLaccaic acid Dにはない。最悪、ラックカイガラムシを食べても死なない。

ちなみにDearnaturaに含まれているセラックは、原材料の記載順を参考に見てみると、331mg中に0.02mg~30mgしか含まれていないと言い切れます。30mg含まれることはなく、0.02mgほど少なくはなくとも、本当にほんのちょびっとしか含まれていないというわけです。ちなみに細かい塩1粒約0.1mgなので、料理の時に使うお塩1粒かそれより少ないと思って貰えれば良いと思われます。

 

 

※気になる方はご自分でもリサーチしてみてください。安全であるという研究結果、危険であるという研究結果は今回のリサーチでは見つかりませんでした。漢方(違うけど)とか天然成分だから気にしなくて良いんじゃない?というレベルの話なんだと思います。今後のリサーチで新しい情報が見つかったら、ちょくちょく更新していきます。(リサーチ:2017年4月26日午前2:44)

関連記事